総合感冒薬 の裏事情
鎮咳去痰薬(咳止め・痰切り)
一部の例外を除いて、たいていの鎮咳去痰薬には、アレルギー性の咳を抑えるという目的で、抗ヒスタミン薬が配合されています。
だから、 そーゆー咳止めを飲むと、副作用で鼻水が止まります。
効 能・効果には「せき・たん」しか書いてないけどな。
ってゆうか、総合感冒薬から解熱鎮痛成分を引っこ抜い て、25%くらい増量(当社比)したものが鎮咳去痰薬だと思っていただいてもいいくらいである。
数式で表すと、(総合感冒薬-解熱鎮痛成分)×1.25 である。
『ブロン液』のイッキ飲みをなさるお客様もいらっしゃるようですが、どうして皆さん『ブロン液』にこだわるんですかね?
『パブロンSせき 止め液』ならスピードボールなんだけどダメですか?
また、痰を排出するときには「咳込む」という行為が重要になります。
だから粘弾性の強い痰が大量に出ているときに、咳止めを飲んで咳を止 めてしまうと、痰を排出するために自分で意識的に咳をしないといけないわ けで。
つまり、咳止めを飲んで咳を止めてから寝入ってしまうと、痰 が気管に詰まって窒息死する可能性があるんですよ。
自殺行為ですね。
その危険性を認識しながらも、なお使いたいとおっしゃるなら止めませんよ。
そんな馬鹿が窒息死しても、オレが痛かったり痒かったりするわけじゃねえし。
正直どうでもいい。
鎮咳去痰薬には、「リン酸ジヒドロコデイン」という成分が配合されている場合が多い。
この成分は業界用語で「中枢性麻薬性鎮咳薬」という もので、アヘンの親戚です。
アヘン戦争とかアヘン窟のアヘンですぜ旦那。
漢字で書くと阿片。
医療用の添付文書の「効能又は効果」の項には、「各種呼吸器疾患における鎮咳・鎮静、疼痛時における鎮痛、激しい下痢症状の改善」 などと書いてある。
一般用医薬品の添付文書には書いてないけど、さすがアヘンの親戚ですね、鎮痛作用もあるじゃ ないですか。
病院においては、下痢止めとして使用することもあるが、 一般用医薬品においては、厚生労働省が下痢止めとしての使用方法を認めていない。
副作用で便秘になることもあるという注意書きはあるけどな。
だから医療用の添付文書には、「出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]」 なんて書いてあるんですよね。
もうひとつ重要なのは、「リン酸ジヒドロコデイン」(だけじゃなくて中枢性麻薬性鎮咳薬すべて)は、気管支を収縮させたり、気管支分泌を抑制する副作用があるので、気管支喘息発作中の患者が使用すると大変デンジャラスなんですよ。
ただ、喘息の持病を持ってる人は、そのへんの話を医師から説明を受けて理解しているはずだから、これが問題になることはほとんど無いんだ けどな。